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「大丈夫、響子……?」
玄関を開けると、そこに立っていたのは香澄。
昨日と同じようにケーキを持ってたたずむ友人を、私は笑顔で迎えた。
「ありがとう、嬉しいわ。入って入って」
わざと明るく振舞うようにして、香澄を部屋の中へと招き入れる。
「うん、お邪魔しま……っ!?」
おずおずと入ってきた香澄が、私の部屋の惨状を見て思わず口を抑える。
私はそんな香澄の背中に頭をもたれかけると、神妙な声で言葉を吐いた。
「香澄……聞いて……私、どうしたらいいのか分からない……」
私の流した涙が、香澄の着ていた可愛らしい白のワンピースに染み込んでいった。
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