31人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「奈々美お姉ちゃぁん……」
気付くと、僕は泣いていた。
奈々美お姉ちゃんは、優しく僕の頭を撫でてくれる。
――誰も、パパでさえも、僕を見てくれていないと思っていた。
本当はずっと辛かった。
叱って欲しくて、でも本当は抱きしめて欲しくて、でもそんなこと口に出せなくて。
でも奈々美お姉ちゃんは、自分の危険も顧みず、僕を助けてくれた。
こんな、悪い子の僕の頭を撫でてくれた。
それが、無性に嬉しくて、悲しかった。
最初のコメントを投稿しよう!