狂気と愛情の狭間-2

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「奈々美お姉ちゃん……あのさ、響子さんのこと、どう思う?」 僕の言葉に、奈々美お姉ちゃんが目をぱちくりさせる。 「響子さん? いい人だと思うわよ? 優しいし、世話焼きだし。そういえば、パパと結婚するかも知れないって話だよね? 大丈夫よ、あの人ならきっと、優しくしてくれると思うわ」 ――やっぱりだ。 響子さんは、僕以外にはすごく良い人を演じてるんだ。 これじゃ、奈々美お姉ちゃんにいくら説明しても信じてくれないだろう。 でも……少しでも……ほんの少しでも響子さんに疑念を持ってもらえたら…… そう思い、僕はさらに言葉を続けた。
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