悪魔の来訪

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  「全く……俺もお人よしだよな」 一人、誰も居ない事務所に呟いてみる。 本来ならば、こんな一銭にもならない仕事にかかずらっている場合ではないのだ。 しかし、知ってしまった以上は無視するわけにはいかない。 調べれば調べるほどに、その気持ちは大きくなった。 恐らく、矢部響子は今までにも数え切れない罪を犯しているだろう。 それは今も、闇に葬られたまま、何も知らずに泣いている人間が居るに違いないのだ。 暴かなくてはならない。 それが、俺の探偵としてのプライドだった。
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