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―◇陽明◇―
なぜ……なぜなんだ。
信じられない光景に、俺は大いにうろたえていた。
響子さんの様子が最近おかしかったことは気付いていた。
しかし、結婚すら自らの踏み台としか考えてないあの人が、心から誰かに心を奪われるなどということはないと、どこかで安心していたのかもしれない。
最終的に信頼されているのは自分だという自負もあった。
しかし、今あの人は、何故かうだつの上がらない探偵の事務所へと入っていったのだ。
それは、俺の知る彼女の行動からは考えられないことのように思えた。
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