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「そういえば、お前とは長い付き合いになるが、お互いの過去などを話したことはあまり無かったな」
「あら、そんなことに興味あるの? どうでもいいじゃない、今が信頼できれば」
響子が、あからさまに嫌そうな顔をして答える。
そう、響子はいつもそうなのだ。
昔の話を決して話したがらない。
まあ、響子のことだから壮絶な過去を送ってきたのだろう。
俺もつらい過去を持つ身として、それを思い出したくないという気持ちは分からないでもない。
だが、今日はここで引き下がるわけにはいかないのだ。
もはや俺は意地になっているのかも知れない。
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