終息への集束

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  響子が、透の父親を愛している……と、このメモ帳には書いてあった。 信じられない、俺はそんなこと信じられない。 響子は、人を価値で見る女だ。 利用価値、資産価値……様々な能力や立場などを鑑みて、人を評価する。 そんな響子が、そこそこの収入を持つサラリーマン程度の男に惚れるはずはないのだ。 しかし、響子はこの男を手に入れるために火事を起こし、その家族を殺した。 この男に、それほどの価値があるのか。 私には、どうしてもそれが分からなかった。
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