45人が本棚に入れています
本棚に追加
響子が、透の父親を愛している……と、このメモ帳には書いてあった。
信じられない、俺はそんなこと信じられない。
響子は、人を価値で見る女だ。
利用価値、資産価値……様々な能力や立場などを鑑みて、人を評価する。
そんな響子が、そこそこの収入を持つサラリーマン程度の男に惚れるはずはないのだ。
しかし、響子はこの男を手に入れるために火事を起こし、その家族を殺した。
この男に、それほどの価値があるのか。
私には、どうしてもそれが分からなかった。
最初のコメントを投稿しよう!