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思えば、あの時の響子は、輝きの中に危うさを含んでいた。
まるで、砂で作られた城のように、華やかさと脆さを備えているように感じたものだ。
しかしそんな直感は、彼女と仕事を続け、彼女の強さを見ている内に薄れていったのだが、今思えばそれが正しかったのかもしれない。
響子は悪魔でもなんでもない、ただの一人の女性なのだ。
幸せを追い求めるか弱い女なのだ。
だからこそ、つまらない男に心を動かされてしまうこともあるのだろう。
ならば、この俺が分からせてやらねばならない。
真に響子に相応しい男は誰なのかということを。
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