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――ガシャーン! と、けたたましい音が響く。
先ほどよりは小さいけど、水の入った陶器の花瓶が、僕の僅か左側に叩きつけられて飛び散った。
僕は慌てて上を見る。
天井は吹き抜け。敵は数階上の通路から、次々と物を投げつけてきているのだ。
「くそっ!」
迂闊だった。
こちらから相手は見えない。
恐らく、向こうからも僕は殆ど見えていないだろう。
だからこそ、油断した。
たとえ当てずっぽうでも、当たれば僕は間違いなく死ぬのだ。
そう考えている内にも、次々と投げつけられる花瓶やレンガ。
どこか、どこか隠れる場所を探さないと!
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