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いや、待てよ?
僕はあることに気付き、なるべく音を立てないように辺りを見回す。
さっきは慌てていて気づかなかったけど、この規模の建物ならエレベーターくらい設置されているんじゃないか?
そう思い、探してみれば、やはり端の方に二基のエレベーターを見つける。
こんなものに気づかないなんて、やはり僕はまだまだだ。
一時の感情の高ぶりで動いちゃダメだ。
もっと冷静に、状況を把握しないと。
とりあえず僕は、先ほどまでいた部屋の扉をわずかに開き、そこに身を隠す。
ここなら、エレベーターも階段も見渡せる。
でも、エレベーターの階数は二基とも五階になっていたけど、既に敵が降りてきていたとしたら、少し危ない。
部屋の中に追い詰められたら、どうしようも無くなってしまう。
でも、それはどこに逃げても同じだ。
――腹をくくろう。
いざとなれば、このナイフで刺し違える覚悟で!
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