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よし、先手必勝だ。
僕は部屋に置いてあった花瓶とマグカップを持ち、エレベーターを待つ。
エレベーターの扉が開いた瞬間、これを投げつけて出鼻を挫く。
上から花瓶を落としてきた敵に、同じ手でダメージを与えてやるんだ。
――エレベーターの階数表示の一階が点灯する。
……来る!
僕は呼吸を整え、手に持った花瓶を構える。
勝負は一瞬だ、ためらっちゃいけない。
隙を突かなきゃ、僕が大人に勝てるはずは無いんだから!
やがて、エレベーターの扉がゆっくりと開いていく。
「食らえええええええええ!」
威嚇の意味も込めて全力で叫び、僕はそのまま持っていた花瓶を投げつけた。
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