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「アハッ! アハッアハハハハ!」
溢れる笑いが止まらない。
この状況になって初めて分かった。僕は死など恐れてはいないんだ。
今までは、甘えがあった、すがりつくものがあった、そこそこ幸せな生活があった。
だから、それを失うのが怖かった。
でも、いざ敵中に放り込まれてみれば、湧き上がってくるのはまるでゲームを楽しんでいるかのような興奮だった。
これが、僕の本当の心なのか、恐怖を誤魔化すための自己暗示なのかは分からない。
でも、このままの気持ちでいた方がよいのだけは確かだ。
ポケットの中に忍ばせたナイフを確認する。
僕には武器がある。恐らく、誰も知らないだろう武器が。
このまま、むざむざ殺されたりはしない。
絶対に、一矢報いてみせる!
……絶対に!
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