26人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は神経を集中し、周りの音に耳を傾ける。
もともと静かな屋内だ。
誰かが来たり、僕を狙うのなら、必ず物音がするはず。
今、研ぎ澄ますべきは視覚ではない、聴覚だ。
「――!?」
――聞こえた!
上の方の階から、キィィ……という、扉が開いた音が。
しかし、足音は聞こえない。
よほどゆっくり歩いているのか、それとも上の階は床の材質が違うのか。
しかし、相手が上から来ることだけでも分かれば問題ない。
僕は、階段を降りてきた瞬間に確実に背後を突ける位置、階段の真横に身体をくっつけて、待ち伏せることにした。
最初のコメントを投稿しよう!