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「うわあああああ!」
突然右足を襲った激痛に、僕は思わず床に転げる。
傍らを見れば、スタンガンのようなものが落ちていた。
なるほど、部屋の中から僕の姿が見えたんで、これを投げ付けたのか……!
「見つけたぞ、ハッハハハ……」
不意に聞こえた、狂気に満ちた声に慌てて向き直る。
そこには、バットを振り上げた男。
思い出した! こいつ、天明教の教祖、陽明だ!
「お前を殺さないと、俺は先に進めないんだ。悪く思うなよ?」
そう言ってゆっくりと近づいてくる陽明。
僕はとりあえずスタンガンを拾い上げて陽明に向けてみるも、何の威嚇にもならない。
当然だ。スタンガンは、出来るだけ相手を傷つけずに行動不能にするためのもの。
近くで振り回すなら、僕が最初から持っているナイフの方が効率がいい。
おそらく、それを分かっていて僕に投げ付けたんだろう。
でも、僕はこのまま死ぬわけにはいかない。
僕は何とか身体を引きずり、そのまま――階段を転がり落ちた!
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