思いは白く燃え尽きる

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  私の全てを文章に打ち込み終わる頃には、既に二時間以上が経過していた。 全く持って笑ってしまう、私が今まで幸せを手に入れるために必死になって行ってきたことが、奪ってきた命が、たったの二時間でまとめきれてしまうのだから。 命の重さ、そんなものを掲げて綺麗ごとを述べる連中に伝えてやりたい。 命なんてものは綿毛のように軽い。 手放すのも奪い去るのも、あまりに容易であまりにあっけないものなのだ。 重いのは、いつだって生きている人間の想い。 私が今までくだらないと吐き捨てていた愛だの憎しみだのといった想いこそが、なによりもままならなくて、なによりも人を狂わせて、なによりも――大切なのだ。 私は、先ほどスタンドでポリタンクに補給してきたガソリンを手に、車を出る。 ポケットにはライター。 透が私に復讐したいと望んでいるというのなら、私は自分自身の手で幕を閉じて見せよう。 透の母親と妹の命を奪った炎の中で、私もその生涯を終えるのだ。
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