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「わあ……! 凄いですね」
事務所に通せば、茜が感嘆の声をあげる。
当たり前だ。この反応のために、高い金を出して一等地を借りたのだから。
「これからこの業界に参入する身としては、こういうところからきっちりしておかなければならないからね」
俺は得意げにそう言った。
ここに来るまでの間に、茜とは色々なことを話しておいた。
うちの会社が、新規参入だということもその一つだ。
実績などを偽っても、調べられればすぐにボロがでる。
そうなれば、築いた信頼は一気に下落してしまうだろう。
だったら、最初から新規だと明かしてしまえばいい。
こういう女は、話術一つでどうにでもなるのだから。
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