汚れきった契約

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「そんな大事な時に私を選んでくださるなんて、嬉しいですっ!」 茜が俺の腕にしがみつき、上目遣いで俺を見つめてくる。 いかにも、つまらない男が騙されそうな仕草だ。こうやって、男にチヤホヤされてきたのだろう。 全く、女も女なら男も男だ。 しょせん、低俗な人間の周りには低俗な人間しか集まらないということだろう。 歓声をあげながら事務所を見回す茜の姿に、俺は密かにため息を吐いた。
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