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放火についての聞き込みは、ひどく事務的なものだった。
出かけた時間や状況、行動などを問いかけられるだけの単純なもの。
自分が疑われても仕方のない状況だと思っていたが、やはり警察もそこまで単純ではないらしい。
何かに追い詰められたような笹見を思い出し、小さく息を吐く。
それだけ、今回の事件が不可解であり、奇怪だということだろう。
自分ですら、あの駐車場で彼女に出会っていなければ、ただただ戦慄するばかりであっただろう。
しかし、彼女は惨劇を引き起こす前に、自分の前に姿を現した。
そこには、大きな意味があるのではないか。
大石は、そう考えていた。
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