新たなる惨劇

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*** 「あれ……?」 今まで軽快に走行していた車の調子が急に悪くなり、中川は首を傾げた。 いくらアクセルを踏んでも、スピードが上がる様子がないのだ。 車はどんどんスピードを落とし、やがて道路の端に停止した。 エンジントラブルだろうか? もう少しでマンションに辿り着けるはずだったのに。 中川は大きくため息を吐きながら、車を降りてボンネットを開けた。 ――その瞬間だった。 中川の気づかぬ内に、ゆっくりと助手席の窓が開き始めたのは……。
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