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「あれ……?」
今まで軽快に走行していた車の調子が急に悪くなり、中川は首を傾げた。
いくらアクセルを踏んでも、スピードが上がる様子がないのだ。
車はどんどんスピードを落とし、やがて道路の端に停止した。
エンジントラブルだろうか?
もう少しでマンションに辿り着けるはずだったのに。
中川は大きくため息を吐きながら、車を降りてボンネットを開けた。
――その瞬間だった。
中川の気づかぬ内に、ゆっくりと助手席の窓が開き始めたのは……。
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