隠し続けていた罪-2

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  「すみませーん」 扉に向かって呼びかけながら、チャイムを鳴らす。 どこか懐かしいメロディが鳴り響き、来客を知らせるも、中から人が出てくる様子はない。 「留守なのかしら……」 「いや、そうかな。料理の匂いがするけど……」 彩芽のつぶやきに、煮え切らない返事をする。 それもそのはず、家屋内からは、何かを煮込んでいるような香りが漂っているのだ。 まさか火をかけっぱなしにしてどこかに出かけるなんてことは無いだろう。 そう思い、大石がゆっくりと家の周囲を歩く。 何かが、おかしい。 嫌な胸騒ぎがした。
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