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「すみませーん、いないんですか?」
呼びかけながら家の周囲を歩いていると、不意に開け放たれた窓があることに気付く。
鼻をつく煮物のような香りが強くなる。
どうやら、あそこがキッチンのようだ。
「すみません、どなたかいらっしゃいますか……?」
大石が、窓に向かいながら、先ほどよりも大きな声で呼びかける。
料理の匂いがするのだから、誰かがキッチンにいるはずだ。
そう思い、窓を覗き込む。
しかし、すぐに大石は後悔することになる。
――そこに見えた物は、あまりにも凄惨な光景だったのだ。
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