第7話：嘲る女

嘲る女

　
「し、詩織……？」

大石の声で、彩芽も気付く。

同時に、恐怖に顔をひきつらせて後ずさる。

そんな二人をあざ笑うかのように、白いワンピースの女はバンと窓に張り付き、恨みのこもった声で叫びをあげた。

「何をやってるのよ……！　私は死んだのに、私は死んだのに、私は私は私は私は私は死んだ、死んだ、死んだ死んだ死んだのに、私は、死んだのに！！」

怒りのこもった口調、そして声。

あまりの出来事に、腰がぬけて動けない。

なんで、どうして、詩織まで……？

状況を整理できずに、ただただ戸惑い、恐怖する。

しかしその瞬間、窓に張り付いた女が高らかと笑い声をあげた。