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「あ……あ、ああっ……!」
声にならない叫びをあげて、荒井が崩れ落ちる。
もう、何もかもを理解した。
家族は既に殺され、自分もまた死ぬのだと言うことを。
「いいゆめ、みれた?」
無邪気な少女の声が響き、彼の首がゆっくりとねじ曲げられる。
「なんでだよ! 俺達、関係ないじゃないかよ! 大石とも組んでねえし! なんで、なんで俺達が殺されなきゃならないんだよ!」
最後に叫んだ彼の言葉に、少女は小さく、だが確かに憎悪のこもった声で答えた。
「家族……家族……!」
少女の言葉の意味は、理解できない。
理解できぬまま、彼の首は真横へと折り曲げられた。
骨の砕ける音が、暗いオフィスに響き渡った。
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