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「このくらいでいいかな……」
荒井は、会社で一人残り資料作成に勤しんでいた。
リゾート計画がもたらしたバブルで就職した荒井は、それが頓挫するとともに職を失った。
しかし、佐和子との結婚を機に、何とか仕事を見つけて働き出したのだ。
彼が就職したのは、不動産屋。
リゾート計画頓挫で需要がなくなっていく中、何とか細々と生き残っている不動産屋だ。
しかし、彼はそこでもまだ新人。
仕事が遅いのは仕方がない。
だからこそ、一人で遅くまで働くことも多い。
今日も、そんないつもと変わらぬ日のはずだった。
そう、はずだったのだ。
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