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「よし、終了!」
保存の終わったエクセルファイルを一瞥し、荒井が大きく伸びをする。
今日も遅くなってしまったが、きっと家族は自分の帰りを待ってくれている。
そう思うと、申し訳ないのだけれども、胸が弾むような気がするのだ。
「さーて、ようやく帰れるぞー」
周りに誰もいないと知れば、独り言すら口をつく。
上機嫌でカバンに荷物をしまい始める荒井。
しかし、その目はすぐに異常を映し出した。
「……なんだこりゃ?」
つけっぱなしだったPCの画面が、謎の風景を映し出したのだ。
地平線まで続く長い線路。
この島の風景のようだが、今現在の景色とはだいぶ違う。
こんなスクリーンセーバー入れただろうか?
訝しげに、画面を見つめ続ける荒井。
しかし次の瞬間、荒井の瞳は見てはならぬものを捉えてしまったのだ。
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