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轟音と共に走り去る電車。
段々と小さくなっていくそれが、不意に停止する。
地平線まで続く線路の先で、電車は停止し続けているのだ。
――鼓動が、早くなる。
いけない、このまま見続けてはならない。
そう思っているのに、体が動かない。
やがて、停止した電車から、小さな点が生まれ、ゆっくりと動き始める。
あれはなんだ? 生き物? 人?
得体の知れないモノが、画面の奥からゆっくりと近づいてくる。
点はどんどん大きくなり、やがてその姿に意味を成してくる。
それは――人。
――首の折れ曲がった少女の姿だった。
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