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「うわああああ!」
大きな悲鳴をあげて、荒井は転がるように部屋を出る。
なぜ? なぜ俺のところにきた!
俺は、断ったはずなのに!
友情に亀裂が入るのを覚悟の上で、断ったはずなのに!
考えれば考えるほど、疑問は尽きない。
しかし、今はそんなことを考えている場合ではない。
早く、早くこの場所を出なくては!
エレベーターに駆け寄り、半狂乱でボタンを押す。
表示を見ればエレベーターは一階に止まっている。
しかし、おかしい。
他に誰もいないはずなのだから、エレベーターはすぐに動き出すはずなのに、一向に動く気配がないのだ。
何事かと、扉の上に設置されたエレベーター内部を撮影する監視カメラの映像を見る。
――そこには、カメラ越しに真っ直ぐこちらを見つめる首の折れた少女の姿が映し出されていた。
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