ミナゴロシ

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「嘘だろ……?」 荒井一家惨殺の報は、朝一番で大石達にも知らされた。 慌てて荒井の自宅へ向かった大石と榊原と彩芽は、大勢の警察官と無機質なブルーシートを被せられた友人に出迎えられる。 自宅にいた佐和子とあずみも、会社にいた荒井も、同じように首を折られて殺害されたというのだ。 家族を守るために自分と袂を分かった荒井に恨みなどは無かった。 ただただ、幸せに暮らしてくれればそれでいいと思っていた。 それなのに…… 「奥さんと娘は自宅で、旦那は会社で、それぞれ今までの事件と同じように首を折られて殺されてやがる。会社の防犯カメラは全て破壊されて、見ることもできない有り様だそうだ。忌々しいな、この犯人はよ」 難しい顔をしてため息を吐くのは、笹見警部。 カチカチと苛立たしそうに、ペンをノックする姿からは、焦りやもどかしさが痛いほどに伝わってきた。
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