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「ぐっ……」
大石の首が、凄まじい力で締め上げられる。
今まで、これほどの痛みを感じたことは無かった。
瞳がちらつき、意識が急速に遠のいていく。
自分は死ぬのだということが、はっきりと理解できた。
薄れる思考の先に映るのは、変わらずに自分を迎えてくれた友人の笑顔。
そして、眞砂子と遊んだ幼い頃の光景だった。
(みんな……ごめんな……)
声にならない謝罪を、意識の奥に生み出す。
その瞬間だった。
――小さな手が、大石の手を握り締めたのは。
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