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次の一瞬、大石の身体が勢いよく引っ張られた。
目の前には、眞砂子の姿。
首は折れていない、二人で遊んでいた頃そのままの眞砂子だった。
「……めんなさ……い。……めんなさい!」
舌足らずな言葉で、少女が泣きじゃくる。
その小さな身体を、大石は優しく抱きしめた。
「こっちこそ、ごめんな……」
大石もまた、涙を流していた。
この少女は、自分が裏切るまで、苦しみながらも自分を待ち、守ってくれていた。
誰も傷つけずに、思い出の場所で待っててくれていた。
彼女は、ただ周りの大人に振り回されただけなのだ。
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