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「もう沢山だ! 狙うなら俺を狙え!」
大石が、涙ながらに叫ぶ。
しかしそれを笹見が制した。
「無駄……だ、大石! こいつらは娘が死んだ後の島民からの扱いにも恨みを持ってるだろうが! もとより島の人間を殺し尽くさなきゃ終わらなかったんだよ!」
笹見の首には、既に眞砂子の母親の手が絡みついている。
このままでは、殺されるのも時間の問題だろう。
それを見た大石は、意を決して叫んだ。
「だったら、俺がそちらに行く! 俺だって死にたくなんかない! でも、もういやなんだ! これ以上、もう、嫌なんだ……」
何人もの人間が目の前で殺害され、彼の精神は疲弊しきっていた。
そんな彼が自暴自棄になってしまうのは、仕方のないことだった。
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