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街を出て9日
目的の街、マリリーフへと到着した。
この街はかなり栄えている
街の周りは高い塀で囲まれており、出入り口には大きな門が開け放たれている。
おそらく、夜には門を閉じ、賊や魔物の侵入を防ぐのだろう。
門の前にはそれなりの数の人や馬車が長い列を作っていた。
「次、どうぞ」
門番の兵士がウェル達を促す
ここで、簡単な検問をするようだ。
「何か身分を確認出来るものと、指名、滞在期間、この街にいらした理由をここに記載してください」
身分証明は大抵がギルドカードか、ギルドでの依頼書で済ませる。
そのどちらもない場合は、事前に自分の住む街か、行き先の街のどちらかの領主に、許可書を発行してもらうことで証明する。
許可書は、役所を通したりなんなりと面倒なことをしなければならない。詳細は割愛する。
「はい、ギルドの依頼書です」
「はい、確認しました。後ろの方々が依頼受注者ですね。では、こちらに記載をお願いします」
兵士に言われ、サムが依頼書を出し、紙に言われたことを書き込む。
兵士に渡した依頼書には、依頼主がサムとなっていて、依頼内容はマリリーフまでの護衛となっている。
「ご家族で観光ですか?」
「ええ、まあ。ショッピングをしたいのだけれど、お店が並ぶ場所はどちらかしら?」
にこやかに話し掛ける、先程とは別の兵士にマチルダが応える
話し方が普段とは別人で、ウェルは…いや、一行皆が気持ちの悪い感覚を覚えていた。
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