雪が降るその日に

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「明子は心配しなくても大丈夫です。 私はこの通りしっかりしてますし、子供たちの躾も完璧です。」 「そう?それなら良いけど。」  さっきまでの涙はどこへやら。  感情的になったことすら瞬時に忘れたらしい瑠花は、真っ直ぐな目をしながら力強く頷く。  そんな瑠花に対して、クスッと明子は小さく笑った。  ――トントンッ……  その時ドアをノックする音が聞こえ、明子が返事を返せば、ドアが開くと共に白衣を着た40代ぐらいの医師が部屋の中へと入ってきた。 「調子はどうですか、明子さん。」 「特に何もなく健康体です。 出来ればお酒が飲みたいです。」  その言葉に対してか、瑠花が自分のことを軽く睨んできたことを知りつつも気付かない振りをした明子だったが、普段からとても穏やかな先生の様子がおかしいことに気付く。  何処と無く雰囲気が重い。  思えばまだ点滴の量は残っているし、既に早朝に1度診察をしてもらっていた。  明子と琉花は嫌な予感を感じとった。
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