いつかの雨

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「雪と 」 あぁ 目が回るこのソラに 今日と呼ばれる粒の中に とても小さな月がまた もう 星の数など数えない あちこち散歩して見上げれば 流れ星が頬に触れた 裏通りで見つけたなごり雪 真っ新な色が温度として 指先を紅く凍らせた 手のひらで消えた雪だった水も 流れに乗っ取っているならば またここに来るでしょう そらでは今日も星の雨 その中に紛れていたのは何だったか 名前を調べもしないでいる ねぇ 粒子になった君は 今日はどこを飛び回っているのか 吹いた風と歩調を合わせ また、路上の色を変える 目的なんかわからない 目的地だけを共有している ただ月を見つけたかったんだ 水面に映るこんなのじゃなく この手で触れられる 遠くに大きくあることを 言われてもわからないくらい 盲目していたんだ ずっと側にあったはずだった 届かなくなったのはいつからか 始めからそうなのだろうか 見つけたとき 後悔が身体を縫い止めた 路上がその色に変わっていく 今わかった 星の雨に紛れているのは なんてことのない我が侭だった 裏通りで見つけたなごり雪 真っ白な色が温度として 全身を紅く凍らせた 手のひらで溶かした雪だったもの流れに乗っ取っているならば また会えるでしょうか? 遠く大きくあることを 言われても無視し続けるくらい 盲目していたんだ ずっと近くにいたはずだった 届かない場所に追いやられ いないのだと扱って 流れ星が頬を撫でても 水面にすら写らない もう星の数など数えない
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