四、繋がれる想い

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「そう、生け贄にされかけてたアンドロメダをペルセウスが救ったんだ。そうして二人は結ばれ、やがて夫婦となる」 「なんだか素敵なお話だね。乙女のピンチをナイト様が救ったって、王道だけどやっぱり好き」 「もしそのナイト様が、びっくりするくらい不細工だったとしたら?」 「何その意地悪な質問」 「大半の人間は感謝こそすれど、恋に落ちる事はないだろうなと僕は思うが、君はどう思う?」 望遠鏡で次の星座を探しながら彼が出した質問に、正直私は答えに詰まってしまう。 助けに来てくれる妄想の中のナイト様はいつだって最高のイケメン、それは妄想に限らず、漫画や映画でも同じ。 もし助けてくれた人が中年の小太りのオッサンだったとしたら? 年下のヒョロヒョロで気弱でネクラな少年だったとしたら? そう考えてみれば確かに彼の言う通りなのかもしれない。 「恋には発展しないかもね。っていうか多分、女子の七割くらいはそういう結果になると思う」
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