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現実と妄想ではかなりの差がある。
そんなにうまく何もかもが進んでいくようなら、この世の誰一人苦しむ事もなく、ましてや悩みなんてあるはずもない。
それが現実。辛く厳しい、人々の生きる世界。
子供の頃描いていたような華やかさはなく、時にはなりたくないと思っていたものになっていたり。
夢見た分だけの絶望が転がっている。
「現実って、とても寂しいものだね」
「そうかも」
「神様がもしいるのなら、どうしてこんなにも悲しみの溢れる世界を作ったんだろう。僕は常々そう思ってる」
「神様はいないよ」
私がそう断言すると、彼は驚いた様子で望遠鏡から顔を離して私を見た。
「どうしてそう思うんだい?」
「……世界には理不尽な悲しみ、不幸のまま死んでいく命、生まれる事すら叶わない事も数え切れないくらいある。神様がいるのなら、その悲しみや命をどうして救ってくれないの?」
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