四、繋がれる想い

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神様なんて、私にとってはただの理由付けでしかない。 滅多に起こらないような事があれば、神様が起こした奇跡だと祭り上げる。 偶然うまくいった事で神の存在を感じただのなんだの、本当に神を信じている者はすべての物事に神をこじつける。 私からしてみたらそれはあまりに滑稽だ。 「それに、神様はいつまでたっても私に奇跡を起こしてはくれなかった。この世界にあるのは、神様という奇跡じゃなくて、偶然の積み重ねの奇跡だけ。だから私は神を信じないし、そういった宗教を信じようと思った事もない」 私と彼の出会いも、神様の導きだと感じた事はない。 これも偶然の結果。 たまたま同じバス停で降りただけ、その日はたまたま雨が降っていて、二人とも傘を忘れていただけ。 私たちに起きた偶然はただそれだけなんだ。 「はは、驚いたよ。まさか君が僕と同じ意見を持っていたなんてね」 「え……?奏樹も神様を信じてないの?」
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