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「えいっ?」
彼は私の肩に手を伸ばし、そこに乗っかっていたあるものを素手で掴み取った。
「いやぁ、危なかったね璃帆」
「危なかった?」
何が起きたのかさっぱり理解出来てない私。
すっかりキスの気でいた私の期待が、完全に裏切られてしまったような気がする。
「ほら、これ」
彼がその手を開いた瞬間、私の中に身の毛もよだつ恐怖が襲い掛かってきた。
「キィヤァァァァァァァ!!」
彼の手に乗っていたのは蜘蛛。私の天敵。し
しかもかなりの大きさ。
私は部屋の隅まで逃げて壁に張り付いた。
「はは、そんなに逃げなくても、こいつらは何もしないよ。少し見た目が不快感を与えやすいってだけなんだから」
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