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「無理無理無理!絶対無理!早くどっかやってよ奏樹!」
「ほら、よく見ればなんか可愛く見えてくるよ」
「いやぁっ!私には無理!本当に無理!可愛くなんて見えっこない!」
「仕方ない。ほら、外にお行き。戻ってくるんじゃないぞ」
彼が窓から蜘蛛を逃がして何とか一命をとりとめた私。
九月の終わりだからと気を抜いていると、奴らがふと現れるからたまったものじゃない。
彼がいてくれて助かった。
もし自分の肩にあの蜘蛛が乗っかってる事を自分で見つけてしまったら、もしかしたら私は気を失っていたかもしれない。
それにしてもあんな大きい蜘蛛を素手で掴むとは、彼は本当に人間なのか。
「……今のは本当に蜘蛛だったんだろうか?」
彼がまた新しく妙な事を言い出した。
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