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「違うわ、誤解よ」
「は?」
「話を聞いて、マリー」
私は
マリーの腕を掴んだ。
友達には、なれなくても。
誤解されたままは嫌だわ。
マリーの茶色の瞳に
しっかり私が映っている。
瞳は激しく揺れ、
動揺しているようだった。
「私、ヴィクターとは寝てないわ」
「!? 何言っ……、あんたも聞いたでしょ? ヴィクターが言ったのよ……」
「だから、それは…」
こんなに戸惑うなんて。
きっと
本当にヴィクターが好きなんだ。
それなのに
アイツときたら、最悪だわ。
「全部嘘。ヴィクターがあなたに言ったことは、デタラメよ」
「?!」
「私は、ヴィクターの彼女なんかじゃない」
やっと伝えられた。
何度も言おうとしたのに
聞く耳持ってくれなかったから。
「…………え……」
「私とヴィクターは、ただの知り合いよ」
「……。そうなの?」
キスは2回したけど、
友達じゃない気がするわ。
寝てなんかいないし、
特別な関係なんかじゃない。
私は、彼に振られた。
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