第6話 まさかのheart break

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「じゃあ、あなたとヴィクターは……」 「寝てないし、彼女じゃないわよ」 「…………。それ、本当?」 マリーは 期待を込めた眼差しで見つめる。 嬉しさが滲んでる。 「本当」 私が頷くと マリーは、途端に笑顔になる。 ローレンのことは、 別にいいんだろうか。 「ありがと! いいこと聞いたわ!!」 「えっ、マリー………」 パアッと明るくなった顔で 私にとびっきりの笑顔を見せる。 そして 大きく手を振り、駆け出していく。 「またね、華子。フィリアによろしく!」 「えっ」 全速力で そんなに急いでどこへ行くのか。 まさか、ヴィクターのところ? 私、 彼に怒られるかしら。 知らないわ。 だって、コレが真実だし。 それよりマリー。 どうして ヴィクターがそんな嘘ついたかは どうでもいいのかしら。 「……………」 私は、 ひとりになった廊下でため息をつく。 ポケットのケータイが震える。 メール。 礼弥からだった。 ニューヨークに戻ってからは 二日に一回程度 当たり障りのないメールがくる。 楽だった。 どう接していいか あんまりわからなかったから。
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