第6話 まさかのheart break

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「…………」 なんでだろう。 言葉が出てこない。 いつもみたいに憎まれ口、叩けない。 「華子?」 フィリアが私を見る。 さすがに おかしく感じたのだろう。 「どうしたんだ、こいつ。体調悪いのか?」 ヴィクターが フィリアにそう問いかける。 フィリアは 困ったように首を傾げる。 「おい、華子?」 顔を覗き込まれる。 心配してるの? 少し、困ったように見えるから。 グレイの瞳に 私がしっかり捉えられている。 思ったより 近かったその至近距離に……… 私は、 「近い! ヤダ!」 と、 あからさまに逸らしてしまう。 「おまえ、やだとはなんだ」 「ハハ! 華子はやっぱり最高だな」 「……………」 ムッとするヴィクターをよそに ナックルが笑う。 それがまた嫌みたいで ヴィクターは、さらに不機嫌顔。 そして 私の腕をぐっと、引っ張った。
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