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「や………!」
嫌だと思うのに
なのに……
嫌じゃない気持ちもあって。
私は
ギュッと思いっきり目を閉じた。
すると、
すぐ側でフッと笑う声がした。
「その反応。おまえ、処女か?」
「!!」
目を開くと、
キスなんてされてないし……
ヴィクターは
もう、離れていた。
「処女………じゃないっ」
「わかってるよ」
「!」
ついムキになって
恥ずかしいことを言ってしまった。
それなのに
あっさり返されて………。
「…………なに、それ……」
「おまえが日本から帰ってきた時、首筋にキスマークがあったからな」
「!!」
私は
思わず首筋を押さえた。
すると、
ヴィクターは笑った。
「もうなかった。消えてる」
「それを……確かめたの?」
「そうかもな」
私は安堵の息をつく。
当たり前だ。
日本から戻ってもうだいぶ経ってる。
消えてるに決まってるわ。
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