781人が本棚に入れています
本棚に追加
「おまえ、俺のこと好きだって前に言ったけど…」
「! あ、あれは……」
そうだよね。
私、
ヴィクターが好きなのに……
礼弥と。
「おまえは、日本にもアメリカにも恋人がほしいのか?」
「?!」
「とんだビッチだな」
クッと目を細めて言う。
いつもの意地悪じゃない。
ちょっと、ちがう。
「そういう女は別に嫌いじゃないけど」
「…………」
「おまえがそうだとは思わなかった」
ドクン。
重く、ずっしり響いた。
まるで胸に突き刺さるかのように。
言葉だって
時と場合によっては、凶器。
間違ったことは、言われてない。
だから、
ショックだった。
ヴィクターに言われるのは。
「私は………」
「華子」
心がざわつく。
まさか、
こんなこと言われるなんて。
「キャッ!」
強引に、肩を掴まれた。
最初のコメントを投稿しよう!