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「やだってば! 行かない私!!」
「何言ってるの、家で暇そうにしてたくせに!」
「だから、ちが………」
数十分後。
私は
フィリアの乗るリムジンの中にいた。
ていうか、
強引に連れて来られた。
支度もなにもしてなかったのに。
ていうか私、
今夜のパーティー………
行かないつもりだったのに!!
「ドレスなら、この中から選んでくれていいわよ」
「わあステキ! ……じゃなくて!」
危ない。
可愛いドレスに
紛らわされるところだったわ。
「どうして行きたくないの?」
「……………」
フィリアは
黙る私の肩に、手をポンと置いた。
「もしかして、ヴィクターと何かあった?」
「! ……なんで」
「だって華子、目が少し腫れてるから」
いつもより数倍キレイなフィリア。
ドレスがこうも似合う高校生。
日本になら、いるはずがないわ。
「なにがあったの?」
「……………」
私は、
フィリアにほだされて……
ぽつりぽつりと、話し始めた。
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