死期尊命”過去”

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彼は丘に来ていた。 もうこの村には誰も居ない。 自分一人だけ。 嗚呼、なんて、なんて楽しい【喜劇】なのだろう。 「君達からしたら、【悲劇】だろうけれど」 彼は笑う、嗤う、哂う。 楽しそうに、愉しそうに。 けれど、哀しそうに。 「俺の名前はなんだったかな…。 もう、忘れてしまったなぁ…。 随分呼ばれていなかったからなぁ……。」 彼は思う。 「自分で自分の名を付けるなんて……。 なんて滑稽な話だろう」 笑う、嗤う、哂う。 「そうだ、そうしよう。 俺は人間をやめる。 でも俺は死んでいない。 俺は神でもない。 死神でもない。 俺の存在は、【無】だ。 生きているけど死んでいる。 そんな、名前……。」 「俺の名前は……【死期尊命】」
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