吹き上げる風

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午後4時の十数分まえ 引きずるように荷物を引く移動教室 人とあうのがかったるい 話すのも、笑うのも、あざとくからかってみるのも 4階の廊下にもたれかかって気まぐれに窓を開けようとして、足音が近づいているのに気づく 少しスリッパのラバーを床にこするような音の少ない歩き方はあの日の彼だった。 窓を少し開ける 反対側を彼が全開にした 軽く睨む それにこたえない 10cmの距離 仕方なく空を窓越しにみた その時突風が吹き抜けた
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