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何を言われるのかはもう、わかっていた。
きっと今、自分も想いを隠しきれなくなっている。
だから先に口をひらいた。
「私は遊女みたいに薄情な男をまつなんてしません。」
ふっ、と男の頬がゆるむ。
微笑みに万媚を閃かせて、掠れた声で
「ああ、僕も誰も彼もを、心を殺して受け入れる遊女はいやだ。
あなたがいい。
あなただけが、いい。
どうか、僕の傍にいてくれませんか。」
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