1人が本棚に入れています
本棚に追加
キーンコーンカーンコーン
「ん…」
誰もが一度は
聞いたことがあるだろう。
そう、今の音は学校の
あらゆる時間を知らせる
チャイムだ。
今回のは授業が
終わったことを意味する。
その証拠に後ろの方から
「きりーつ」とやる気のない声で
号令が聞こえてきた。
「んーはぁ…」
そのチャイムの音で起きた俺は
クラスのみんなより
少し遅れて立ち上がり
軽く伸びをして肺の酸素を
一気に抜く勢いで息を吐いた。
「うぇ…喉痛い…」
そりゃそうだ。
今は12月で季節は冬。
そろそろ大気中から潤いがなくなり
手足が乾燥してくる頃だ。
その上、俺の机は廊下側から
2列目の一番前の席。
隣には毎年この時期に
クラスに戻ってくるストーブ君。
喉にダメージを与えるには
もってこいの配置だ。
更にストーブが近すぎて
「暖かい」を通り越して「暑い」
みんな「近くていいなー」
とか言ってるけど
実際に来てみたら絶対に
後悔するレベルだと俺は思う。
最初のコメントを投稿しよう!