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「あ、あの...、あたし、牟田君だから誘った訳じゃなくて、ちょっと一緒に飲んでくれる人が欲しかっただけなんで....。
だから、その...もうケンカしないでもらえます?」
目の前で言い争いを続ける2人にそう口を挟むと、2人共驚いた顔であたしを見た。
でも牟田君だけが、直ぐに乾いた笑いをこぼした。
「ハハッ。遠藤さん、正直過ぎて面白ぇー!
でも...そこはさ、嘘でもオレがイイ男だから誘ったって事にしといてよ?
でないと、顔すら駄目な男にならない?」
「....顔すらって、他は駄目なの?
キミって、何に対しても自信たっぷりのイメージあるんだけど?」
「そうかな?....でも、そんなの分かるくらい見てくれてたんだ?」
「....ほら!その物言いが既に自信満々だよ。
あたしは、キミなんて見てないよ」
あたしが見てたのは、ずっとずっとおんなじ男なんだから。
牟田君は、それにまとわりついてたから目に入っただけ。
「そう。それは残念。
オレは今日、遠藤さんに誘われて嬉しかったのにな」
「嘘。そんなの微塵も思ってもないくせに。
だって....、牟田君........」
「なに?」
「....ホモとか、ゲイとかってやつでしょ?」
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